深層の臨床」カテゴリーアーカイブ

深層へ降りる前夜 気配 On the eve of descent, a presence stirs.

 

河合隼雄@ご当地生まれ

カルト・カント・ショーペンハウアー の 哲学的臨床学的意味 を唱えた歴史上の人物

臨床心理学という学問が、まだ「臨床心理学」と呼ばれていなかった時代がある。 その頃、私は偶然にも、河合隼雄の弟子でありながら、どこか異端めいた先生のもとで学ぶことになった。 いま振り返れば、あの出会いが私の臨床のすべての源流だったのだと思う。

しかし、この出自を語ることには、ずっと抵抗があった。 自分でもうまく言葉にできず、語れば語るほど「特別扱いされているようで嫌だ」と感じてしまう。 旧友たちは「あなたは恵まれていた」と言ってくれるのに、私はその言葉を素直に受け取れなかった。

けれど、最近になってようやく気づいた。 私が長いあいだ言語化できなかった領域── 臨床の深層、瞑想的理解、行為的直観、哲学の言葉を知らないまま哲学していた日々── それらはすべて、この出自から始まっていたのだと。

だから、いまここで、ようやく語り始めようと思う。 臨床心理学がまだ存在しなかった頃の空気と、 その源流が私の臨床をどのように形づくったのか。

これは、私自身の物語であると同時に、 臨床心理学がどこへ向かうべきかを考えるための、ひとつの手がかりになるはずだ。