ASDは
以下の略称である。
急性ストレス障害
(Acute Stress Disorder)
心房中隔欠損
(Atrial Septal Defect)
自閉症スペクトラム障害
(Autism Spectrum Disorders)
文化庁長官としての
責任ある仕事中
倒れた河合先生って
どのASD?
いまはどっちが多いの?
「PTSD」カテゴリーアーカイブ
JR宝塚線脱線事故からPTSDと診断され自死の男性の母親にもPTSDの診断
昨日の朝日新聞夕刊に
5年前事故で
首の捻挫をし
その二ヵ月後に
壁にアリがはっているのを見て
パニックに陥り
事故による
PTSDと診断され
3年後に自死した男性のことが
紹介されていました。
生きていたら27歳だそうです。
ブログもつづっていたようですが
事故で生き残ったことに対する
自責の念や
大学卒業後
社会とのつながりを失ったことで
追い詰められたのではないかと
述べる母もまた
「時間がたってから
PTSDが発症するとは
知らなかった」
と苦悶し、PTSDで
受診中です。
心の傷の連鎖を防ぐために
情報がもっともっと必要だ
と締めくくられています。
なぜアリをみて
パニックになったのか
なぜ自分を責めるのか
なぜつながりを失い
自死につながったのか
すべては哲学的存在論です。
ユングは
これを支えるのが
心理療法の究極の目的であると
述べています。
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キム元死刑囚招聘来月中は困難
キム元死刑囚の人生は
トラウマとの闘い一色でしょうね。
なんとか持ちこたえようとされる
緊張感がひしひしと
伝わってきます。
国際問題の只中に置かれると
立ち居振る舞いすらが
すべて危機に直結するのでしょうから
大変です。
事件までの人生も
緊迫したものだったでしょうが。
誰が悪いのかとか
そういうことを超えた次元で
無私に存在させられることを
受け入れた人の矜持を
感じ
無条件に反省させられること
多々…
デス
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『心的外傷と回復』⑥ ああ、アメリカンなマンダラ理解!
『心の中の曼陀羅◆不眠症に悩むヒトへ』
ストレスや、悩み、神経症などで悩む
クライアント対象に
ユング派の心理療法士さん達は
マンダラを描く療法を指導している。
ストレス先進国
アメリカなどでは
『マンダラ療法』の関連図書も
多く出版されており
日本でも『マンダラ塗り絵』として
出版されている。
ホントですか
最近
『赤の書』が出版された
PTSD克服者のさきがけ
ユングも
アメリカにかかれば
台無しですね。
よい子の皆さんは
これをまともに
受けませんように…
マンダラは
十牛図の8つ目のようなもので
トラウマや自分の影と
死闘を繰り広げて
最後に
その人の内から
浮かび上がってくるVISION
です。
死闘を経過した人の絵には
共通点があるという話であって
マンダラと呼ばれる
統計的に多い図を
描いても
本当の効果は期待できません。
イライラしてる人が
墨を摺って
書をしたためているうちに
落ち着いた
というレベルの効果です。
(よけいイライラした
という人も当然あるでしょう)
あるいは
成功した人には貫禄があると聞いて
貫禄を真似るようなものです。
これも無意味とは言えないですが
ちょっとパロディになってますね。
ハーマンの書いた内容も
PTSD克服が相当進んだ段階では
すっと読めるのではないでしょうか。
初期の段階で
ハーマンの理論を演説する人には
マンダラ色塗り崇拝者が
多いような気がします。
ある意味で
本当の理解を【回避】【否認】
しているのです。
全体的にみれば【知性化】
ともいいます。
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『心的外傷と回復』⑤ 日本人の場合は回復ではない
ハーマンは漢字がわからないと
思いますが…
(まあ
日本人じゃないから
どちらでもいいです)
広辞苑では
回復は
一度失ったものをとりもどすこと。
もとのとおりになること。
「健康が-する」
快復は
病気のなおること。
「じんましんが出て
点滴を受けて
カイフクまでに3日間を要した」は
じんましんという
邪魔なものが
消えて
元通りになった
(厳密には
3日分の加齢と
食べたものや心境など
内外の環境の微妙な変化で
違う肌ですが…)
という意味で
【回復】
でしょうか。
病気のうちに入っていない
と軽く考えるという意味では
悪くないですが
ちょっと【機械】扱いですね。
でもまあ
じんましんくらいなら
こういう扱いもアリでしょう。
PTSDはどうですか?
たとえばDVの場合
頭ごなしに言われるのは
離婚です。
DVシェルターに入所したら
関係修復の選択肢は摘まれます。
そこを強引に突破した場合は
(私はこれに相当加担しました)
どうでしょうか?
このあと関係修復する場合もあるし
納得の上離婚する場合も
あります。
しかしどちらにしても
【回復】ではありませんね。
さらに言えば
初心者の頃の私が
「エー!!ちょっと待ってぇー」
と思うほど
まっしぐらに変容してゆかれます。
後に
『古事記』や道元や『十牛図』を読んで
『ああ、そういうものなんだ…』
と納得しましたが
凄いパワーが生まれるみたいです。
古い表記は
【恢復】だそうです。
これに至っては
道元の
【古木の龍吟】を思いました。
木と言っても
人間のことです。
枯れなくては
魂の声が聞こえてこないのです。
難しいですか?
そういう人のために
『花咲かじいさん』が
あるじゃないですか!
白い犬
(純粋なこころ)を殺されて
犬は戻りませんが
花を咲かせて
人々を感動させることは
できるのです。
象徴的に
灰になれば
恢復するのです。
やはり
アメリカ的精神分析的カウンセリングの
限界があります。
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『心的外傷と回復』④ 永遠の弁証法でハーマンの頭の上を越えよ!
序文に書かれていますよ。
あらゆる心的外傷(トラウマ)の諸相と
その治療への方向性を
具体的・情熱的に示した本書は
初版刊行以来
世界中の読者から
感動をもって迎えられ
現在では
トラウマ問題の「バイブル」の
地位をゆるぎないものにしている。
しかし
被害者をはじめ
この問題に対する取り組みは
まだ始まったばかりであり
事態は流動的である。
人間はそもそも
二元論ではできていない。
しかし
現代キリスト教のおかげで
(そもそものキリスト教は二元論ではないだろう)
西洋は二元論でも
多くの人が納得してくれる。
しかし
PTSDを問題にした
ハーマンは
牧師の息子ユング同様
その常識を超えています。
日本の読者の多くは
どうも
ここを読み飛ばしている。
―都合のいいことに飛びつくのは
世の習いです。
私も人のことはとても
言えません…
東洋の自己実現には
ハッピーエンドはないのです。
個性化の過程
であり【道】なのです。
これは
陰陽五行説の
【一太極二陰陽】の
リセットの法則でもあります。
西洋の弁証法ではありません。
永遠の弁証法です。
ここを間違っては
大事になるので
宮崎監督は
『人魚姫』ではなく
『崖の上のポニョ』を
泣きながら描く必要があったのです。
ハーマンは偉大ですが
ハーマン信仰はほどほどにしましょう。
東洋思想では
【仏向上】
と言います。
ビルシャナ仏の頭の上すら越えていくのが
東洋人です。
ハーマンの頭くらい
軽々超えましょうよ!
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『心的外傷と回復』③ 『十牛図』が自分探しの基本
ユングの心のモデルでは
人間の無意識には
個人的無意識と集合的無意識が
あります。
フロイトの精神分析には
個人的無意識しか
ありません。
トラウマは
後天的なものですが
無意識は
日々ミキシングを繰り返しています。
仏教の唯識では
【阿頼耶識は異熟するなり】と言います。
↑
無意識
我々の無意識にあるのは
常識で考えると知るはずもない
先天的なものが大半なのです。
―あなたは
お母さんに呼吸の仕方を
教わってから生まれてきましたか?
特に文化に関するレヴェルの無意識が
個人的無意識に混ざっています。
また
我々が生きているのは
まさにその文化ですから
それを無視して
社会とつながるのは
無理な話です。
暴君にでもならなければ…
(これは下手すると小さなコミュニティーで
暴君と化す可能性を示しています)
前置きが長くなりましたが
自分を失くした人が
自分を探す物語が
禅画『十牛図』です。
この図によれば
社会とのつながりは
自分探しの果てにあるのです。
最初から
社会とつながることばかり
考えていては
大失敗します。
かの国ではそれでも
よいのでしょうが
君子の交わりは
淡き水の如しで
なければならないと
思います。
保健所のグループで
「寂しい、淋しい…電話番号教えて…」
と苦しみ、混乱を深めていた
ヒステリー女性
(この診断名の人と幸運にも逢ってます)
のことを思い出しました。
ハーマンに今からでも
つけたしてほしい…
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『心的外傷と回復』② つながりを取り戻すこと
本書は
つながりを取り戻す
ことに関する本である。
つまりは…
公的世界と私的世界
具体的には
アウシュビツから
戦地から
凶悪事件から
DV家庭から
虐待を基礎とする親子関係から
物理的にはなんとか
離脱することに成功したものの
孤独なサバイバーが
もう一度
社会とつながりなおす
ための指南書でもある。
度を越した
恐怖や不安が
トラウマとなること ①
そしてそこからPTSDに
罹患する可能性があること ②
罹患者の抱える孤立 ③
さらには
孤立を回復すべきであること ④
これらを的確に
示したスマートな知性には
類稀なものがある。
アメリカ社会では
この本は完璧だろう。
しかし
いざ【つながり】という問題に
焦点が当たると
自分と世界の問題であるから
たちまち【存在論】の問題に
変貌して
立ち上がってくる。
個人には自由があるが
この問題に関しては
所属する文化の影響を全く無視
というわけにはいかない。
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『心的外傷と回復』① 貴重な本だがPTSDバイブルではない
トラウマ問題の諸相と
治療への道を
具体的に描いた
本書は〈バイブル〉と
呼ばれています。
トラウマを取り巻く
現状を考えるとき
医療や福祉が
相当なレベルで不完全である以上
罹患者は
自力で克服するしか
ありません。
C.G,ユングは
知的な資質が高いクライエントには
学習も勧めたようですが
平成のPTSD罹患者は
全員が学習者でなければ
ならなくなりました。
しかし
フロイトの精神分析の
【防衛機制】だけでも
読みこなすのは大変な作業であるうえに
PTSDに罹ると
以前は読めたものも
読みにくくなるのが
普通です。
―もし安定して読み進むことができ
本当に理解している人がいたら
それこそPTSD誤診を
疑います―
1つにはそういう意味で
2つめには
フロイトにはまだなかった発想
でありながら
今の時代には必須であること
が書かれ
3つめとして
現代人のこころに響く
表現や言い回しで
カジュアルに書かれている
こういう本は他にないので
この本はPTSD入門書として
貴重だと考えています。
しかしバイブルにしては
いけないと思います。
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JR宝塚線脱線事故からPTSDと診断され自死の男性の母親にもPTSDの診断
昨日の朝日新聞夕刊に
5年前事故で
首の捻挫をし
その二ヵ月後に
壁にアリがはっているのを見て
パニックに陥り
事故による
PTSDと診断され
3年後に自死した男性のことが
紹介されていました。
生きていたら27歳だそうです。
ブログもつづっていたようですが
事故で生き残ったことに対する
自責の念や
大学卒業後
社会とのつながりを失ったことで
追い詰められたのではないかと
述べる母もまた
「時間がたってから
PTSDが発症するとは
知らなかった」
と苦悶し、PTSDで
受診中です。
心の傷の連鎖を防ぐために
情報がもっともっと必要だ
と締めくくられています。
なぜアリをみて
パニックになったのか
なぜ自分を責めるのか
なぜつながりを失い
自死につながったのか
すべては哲学的存在論です。
ユングは
これを支えるのが
心理療法の究極の目的であると
述べています。


