中川昭一氏

ヘルマン・ヘッセの『車輪の下』は
平成の日本を予言したような作品です。
ヘッセの視線で
自殺予防を考える必要があります。
『車輪の下』の主人公ハンスは
年間3万人の自殺者の【象徴】です。
自殺法に流行があり(ヒステリー症状)
2010年2月現在は車輪の下ですが、
ハンスは溺死です。
飛び込もうと思って
飛び込んだのではありません。
アルコールによるものでした。
アルコールが好きだったのではありません。
自暴自棄になって呑んだのです。
自暴自棄になったのは
絶えられないショックのためでした。
要するに
【PTSD】によって殺されたのです。
死のうと思って死んだのではありません。
ここが大事なところです。
昨年10月4日に死去した中川昭一氏ですが
行政解剖の結果、
循環器系に複数の異常があったことが
捜査関係者への取材で分かっています。
また弔問客によると、
遺族側は死因を「急性心筋梗塞(こうそく)」と
説明しているそうです。
しかし
中川氏の死を発見した妻は
4日朝、
ベッドの上でうつぶせになり、
ベッドには嘔吐(おうと)した形跡があったと言います。
中川氏はその頃
睡眠薬を服用していたそうで
室内の机には
病院から処方された睡眠薬とみられる錠剤が
置いてあり
行政解剖の結果
アルコールの成分も検出されています。
依存症であったことは
酩酊会見により
国際的に知られた事実です。
依存症になるには
それなりの理由が必要です。
少なくとも(実際はわかりませんが)
お父様の自死は考慮すべき原因でしょう。
つまりPTSDが
中川氏をアルコール依存症にし
死に追いやったのです。
希死念慮はなかったと思います。
これが【PTSD】による自殺の実態です。
自殺と呼べるかどうかわからないようなものです。
ハンスと同じです。

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