東海道新幹線の車内で
乗客をナタで襲い
3人を死傷させた容疑者(22)の実父は
本人の意思に任せて家出させてしまったこと
本人のこころのなかにある
深いものへの理解が不足していたことを
後悔していると述べました。
後悔すべきは父親だけではなく
業界全体ですから
言葉は象徴的に響きます。
子どもが家出をしたいと思う心理については
『崖の上のポニョ』が参考になりますが
ポニョは
発達障害のように見えるかもしれませんが
畏れ多くも
かぐや姫と同じ
自己実現モデルです。
教科書的には
行動化(アクティングアウト)として
心理療法の場面で
内的にじっくり取り扱われるべきものが
安直に行動に移されてしまう。
説明されているものですから
家出をしたいと聞いたなら
家出の善悪を超えて
なぜそのように考えるのか
太極に戻って
象徴的に取り扱う必要がありました。
そうすれば
本当は
家出がしたいのではなく
こういう集合的無意識から
上手に脱皮して
生まれ変わりたかったのだと
理解されたのではないでしょうか。
自殺願望の正体も同根です。
自殺もアクティングアウトです。
本当は死にたいのではなく
変わりたいのです。
その心理に接近するには…
野宿したいと言い
昨年12月に祖母の家を出て
3月に向かった
観光名所の「寝覚の床」が参考になるのではないでしょうか。
2,3週間
東屋で寝袋に入って横になっていたが
土砂崩落のため立ち入り禁止になっていたので
立ち退かされた。
寝覚の床は
水が巨岩を削ってできたもので
古い水筒にキレて
父親に見放されたように
水のイメージに敏感です。
愛知まで続いているそうですね。
ポニョの父も水の研究者
サザエさんも感動したという寝覚の床ですが
『寝覚浦嶋寺略縁起』によれば
浦島太郎は
竜宮城から帰り
日本諸国を遍歴したのち
木曽川の
風景の美しい里にたどり着いて
釣りを楽しんだりして
長年暮らしたあと
玉手箱を開けてしまって老人となり
この地から姿を消したそうです。
今までの日常が
まるで「夢」であったかのように思われ
目が覚めたかのように思われた土地=「寝覚め」にある
「床」のような岩ということで
「寝覚の床」と呼ばれるようになったわけです。
『かぐや姫の物語』でも
思い切り夢の世界に生きれば
適切な心理療法
想いが感官の中に吸い込まれて
夢のように感じられるものだと
示されていますよ。
かぐや姫の
本当の意味について書きました。
PTSDを正しく理解することは
人類を救います。